この記事ではPLCソフト設計で避けて通れない道と行っても過言ではないくらいよく出てくる「オルタネイト回路」について、ラダーにおける動作の流れを解説していきます。
目次
オルタネイト回路とは
入力がONするごとに出力のONとOFFが交互に入れ替わる回路の事です。
この「交互に」がポイントで、オルタネイトを日本語に訳すと「交互」になります。
実際にラダーで組むオルタネイトは
スイッチを押すとランプが点灯し、スイッチから手を離してもランプは点灯し続ける。もう一度スイッチを押すとランプが消灯する。
このような働きをします。
それではラダーでどの様に書くか?はい、このようになります。
本当にいきなり書いてくれましたね(笑)
そうです、会社などで教えられるときにも「はい、これ覚えてー!」と形から入る事が多いんです。
それもそのはず。これ簡単に見えて結構奥が深い回路なんです。
ラダー始めて3日目くらいで、オルタネイトの課題出されて何も教えてもらってない段階でいきなりこれ書けたらヤバイです。
完全に「伸びしろ」だらけですね!(笑)
はい、それでは動作順序を説明していきます。
オルタネイト回路出力 OFF⇒ONの動きについて
まずは、このアニメーションをご覧ください。(10秒程度あります)
スイッチ「X0」を押して、ランプ「Y0」がOFF⇒ONへ変化するところから解説します。アニメーションが見えにくい場合は、画面をクリックすると拡大されます。
それでは1つずつ順を追って解説します。
①スイッチ「X0」をONします。
②次に[PLS M0]が働き、スイッチ「X0」のONの立ち上がりで「M0」が1スキャンのみONします。
③赤枠の部分で条件が成立し、ランプ「Y0」がONします。左から右にラダーはスキャンしますので、b接点のY0はONしています。したがって[OUT Y0]がONします。
④[PLS M0]が2スキャン目ではOFFするので、赤枠部分の条件が成立します。すると自己保持回路となり、そのまま[OUT Y0]がONし続けます。
⑤2スキャン目以降も[OUT Y0]のON状態が自己保持されます。
オルタネイト回路出力 ON⇒OFFの動きについて
最初に、このアニメーションをご覧ください。(10秒程度あります)
次にスイッチ「X0」を押して、ランプ「Y0」がON⇒OFFへ変化する所を解説します。アニメーションが見えにくい場合は、画面をクリックすると拡大されます。
こちらも1つずつ順を追って解説します。
①スイッチ「X0」をONします。
②次に[PLS M0]が働き、スイッチ「X0」のONの立ち上がりで「M0」が1スキャンのみONします。
③自己保持が切れて条件が不成立となり、ランプ「Y0」がOFFします。
④[PLS M0]が2スキャン目ではOFFします。自己保持が切れた状態ですので、不成立のままです。そのため[OUT Y0]がOFFし続けます。
⑤2スキャン目以降も[OUT Y0]のOFF状態となります。
このようにしてオルタネイト回路は動作します。イメージ出来ましたでしょうか?
まとめ
今回の記事を要約するとこんな感じです。
ポイント要約
①オルタネイト回路とは入力がONするごとに出力のONとOFFが交互に入れ替わる回路
②まずは形から入って覚えるのが早いです
③スイッチを押している間のみランプがONするモーメンタリと混同しないように気を付けましょう
「交」と言えば電気屋さんなら「交流」が出てくると思います。
英語にすると「alternating current」(オルタネイティング・カレント)で、頭文字をとって「AC」と表記されています。このオルタネイトも+/-が交互に代わるところから来ているんですね。