GX works3 初心者向け

【初級編】PLCラダーの作成手順について解説します。このポイントをおさえていればOKです

2020年3月30日


この記事ではPLCラダーの作成手順について、押えるべきポイントについて解説します。

PLCのラダー命令は覚えないといけないのか?

早速ですが、結論を書きます。

 

覚えなくてもOKです。むしろカンニングしまくってください(笑)

 

これらは全て、マニュアルに載っています。GX-Works3の場合、タブ「ヘルプ→GX-Works3ヘルプ」からこのようにオペレーションマニュアルが出てきます。

 

昔は分厚いマニュアルを開いて調べていましたが、最近は便利な時代になりました。

 

それではなぜ覚える必要が無いのか?解説します。

 

なぜ命令を覚えなくても良いのか?

かなり前になりますが、「プログラム命令を頭に叩き込んでいます!」と言う後輩がいました。頑張って英単語帳みたいなものを作って覚えています。

 

やる気を出しているので阻害したくありませんでしたが、少し心を鬼にして私は次のように答えました。

「Aさんに電話するときってAさんの電話番号しか調べないよね?BさんやCさんの電話番号調べて覚えたって いつ必要か分からないし、またその時調べるよね。

 

もしAさんに毎日頻繁に電話かけるなら、自然に番号覚えてしまうよね?」今覚えなくても、その時にマニュアル見ればいいよ。

 

本当にその後輩には申し訳なかったのですが、最終的に理解はしてもらえました。

 

この時点で覚えなくても良い理由が一つ出てきましたが、ほかにも理由がありますのでお伝えします。

 

実際に使う命令はマニュアルに載っている40%あればいい方です

少しきつい言葉ですが、使うかどうかも分からない命令を全て覚えるのは時間のムダです。

 

とりあえずラダーを書き始めてみて下さい。最初の1歩が大事です。

 

書き始めて使っていくことで、まずは体を慣らしてソフトに対する抵抗を減らして行きましょう。

 

きっかけから命令は探せます

私自身そんなに命令は覚えていない方です。

 

しかしながらラダーを書いていて、普段使っている命令を除いては「こんなことがしたい」と言うきっかけから命令を探すことが多いです。むしろほとんどそれです。

 

具体的にはこんな感じです。

・少し待ちたかったら→タイマーを調べる

・データを引っ越ししたい→転送命令を調べる

・掛け算や足し算をしたい→四則演算命令を調べる

 

このきっかけからマニュアルを開いて探せばたいていは出てくると思います。

 

マニュアルに無い命令も、慣れてくれば自分で組み合わせて使用すれば大体のことは出来ます。

 

どうやってソフトを製作するの?

詳細はフローチャートを用いますが、大枠はこのような感じで進めて行きます。

 

大枠のストーリーを考える

動作=装置の物語です。

 

まずは大枠の登場人物やストーリーを考えていきます。

 

考えていることを文章で書き出す

これは絶対にやりましょう!頭の中がごちゃごちゃにならず、情報が整理されます。

 

私はいまだに一旦紙に書きだすようにしています。フローチャートを作成するにもまずは明確に情報を整理します。

 

ここでストーリーを明確にしていきます。

 

どんなことがしたいか?

先ほど整理した情報をさらにきれいにつなげていきます。

 

整理した情報から、どの用途にどれくらいのデバイスがいるか?具体的な部分まで掘り下げます。

 

このようなストーリーだから、この場面にこの登場人物が何人出てくる。」といった感じで整理します。

 

どんな命令を使うか?

最後に、そのストーリーに沿った命令を調べて埋めていきます。

 

「登場人物がこのような行動を起こす」と言う部分の最終の落とし込みになります。

 

ソフト製作の具体例

「異常」を作成していく例を紹介していきます。

 

シリンダの出方向の動作が正常に完了しない場合

「電磁弁へ出力されているのに、何秒間”出”側のセンサがONしなかったから異常発報。”出”状態になり、リセットボタンを押したら異常解除」

とまずは文章化します。

 

そこから登場人物を整理します。

・電磁弁出力→Y
・センサ→X
・タイマー→T

 

次にどういった命令を使うかです。

・異常保持→SET(または自己保持)
・異常解除→RST(または自己保持を切る)

 

このような感じで考えていくといいかと思います。

 

まとめ

今回の記事を要約するとこんな感じです。

ポイント要約

①命令は覚えなくてOK

②何をするか文章にする

③ストーリーと登場人物を整理する

④どんな命令を使うか調べる

 

kazuki
情報の整理は紙への書き出しから始まります。何事もまずは整理からですね。

 

  • この記事を書いた人

kazuki

電気設計・PLCソフト設計業務を主にやっています。20歳から搬送装置メーカー・半導体製造装置メーカーを経て、現在は兵庫県明石市でFAソフトウェア 設計・合同会社テクニカルシーケンスを経営。

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