この記事では「仕様」を理解する上でのポイントを3つ、かみ砕いて初心者の方でもわかりやすい形で解説します。
目次
身近な「仕様」の例
車を注文したときに、カーナビを頼んだのに
納車の時に そのカーナビがついていなかったらどうでしょうか?
待ちに待った納車の日に、車屋さんに行ってわくわくしながら注文した車を見ていたら
なんと!!!
注文したカーナビが付いていなかった・・・
うそ!?と思ってもう一回見てみますが
やっぱり・・・注文したカーナビが付いていなかった・・・
気分はすでにブルーです。営業さんにお伝えすると、
申し訳ございません。確認します!
~5分後~
申し訳ございません。本日発注したら1週間後に届くので、その時ご来店お願いいたします!
わかりました・・・(仕事がいっぱいあるのに・・・あーーもう次からはここで買わないでおこう)
そんなコトあるわけないよ!(笑) と思うかもしれませんが、このレベルの出来事があった事をお客様から聞くことが実際にあります。
客先⇔装置メーカー間でもこのような事が実際に発生しています
ミス1つで、次から注文がもらえないようになるかもしれません。
先ほどの話で大きい車屋さんなら「1人くらいは・・・」と思うかもしれませんが、(もちろんそんな事は思ってはいけませんが)装置メーカーにおいてのお客様1社は致命的な事態につながる可能性があります。
ましてやそれが原因で期日から装置の運転が出来なかったとなると、その期間運転できなかった分の損害を賠償するように言われる事だってあります。車の例だと、納品して旅行に行こうとしたけど車が納品されずにレンタカーを使わざるを得なくなったから、レンタカー代を出してよ!と言われることがあるということです。
ソフトを作る前に「どういった事が要求されているか」を理解するようにし、デバッグ時(納品前の装置の調整・ソフト バグ出し)にも再確認するようにすれば、そう言ったミスを減らすことが出来ます。
「仕様」と「設計」の違いは「結果」と「過程」です
ものづくりにおいて「仕様」は完成図のことで、「設計」は完成までの過程や方法です。ちょっとお堅い説明になってしまいましたので少し噛み砕いて話をしたいと思います。
前述の例から説明すると、車を買うときに、どんな色にして、どんなカーナビをつけて・・・と考えますよね。
最終的に灰色のSUVの”A”という車で、ナビはC社の"123"というものがついている こんな車。
これが明確になった時点で、車屋さんにお伝えします。言わば完成イメージ。これが車屋さんに対する自分からの「仕様」です。
そうすると、車屋は「灰色のSUVの”A”という車で、ナビはC社の"123"というものがついている」という情報が書いた書類を作ります。
この書類にあたるものが「仕様書」と呼ばれるものです。自分はこれを確認して、OKなら契約します。それから車を作っていきますその車をどのように作るか?どのような形で、どのような色で、どう加工するか・・・
その作るうえでの過程が「設計」で、それを書いた書類が「設計書」です。
仕様書にはその人の思いが記されています
生産能力を上げるためにこんな装置を導入したい!こんな機能をつけて、このような段取りで運転して・・・装置が出来るまでの間、いろいろなストーリーがあります。その中でも仕様を決めるのは本当に大変なことなのです。
実際に使用する人、上司からアドバイスや承認をもらいそれが実現できるのかどうか装置メーカーと打合せを重ねて初めて仕様が出来上がります。仕様には携わる人の思いが込められているのです。
私はお客様から仕様をもらって装置を作る側、自分で仕様を作って装置メーカーさんに装置を作って貰う側両方を経験しています。
結果として、同じくらい大変です。
モノづくりはもちろん大変ですが、作って貰う側も計画があり、納期管理や検収(※)快諾などのプレッシャーが伴います。
メモ
検収とは、最終的に仕様通りのものが作られて、納品されることです。お金の支払いのきっかけとしているところが多いです。
モノづくりをしていく中で、お客様と決めた仕様から使い手はどのような装置を求めているのか?というのを想像してみてください。
上を見ればきりがないですが、自分がその装置を使って(使うイメージをして)こういう機能はあった方がいいだろう。といった感じで、使う側の立場に立った設計ができるよう心掛けて取り組んでいければお互いに強い信頼関係が生まれます。
携わる人の気持ちが一体になってこそ初めて良い装置が出来上がります。
まとめ
今回の記事を要約するとこんな感じです。
ポイント要約
①「仕様」と「設計」の違いは「結果」と「過程」である。
②「仕様」無くしては、モノづくりはありません。
③自分が使うことをイメージしながら設計するように心掛ければ、より良い装置が生まれます。