- 始めて”PLC”というワードを聞きます
- PLCって そもそも何ですか?
この記事はこれから初めてPLCに触れる方へ向けて執筆しました。
それぞれのポイントについて解説します。特にリレー回路は基礎の部分ですので重要です。ここでは難しい言葉を並べずに、イメージしやすい形でお伝えしていきます。
目次
PLCは機械に命を吹き込むツールです
”設計された機械に命を吹き込む仕事”
インターンに来られた方に、”PLCソフト設計”といってもなかなかピンとくることが少ないので「設計された機械に命を吹き込む仕事をしています」と答えるようにしています。
そうすると、「装置を動かすためのプログラムを作っているんだね!」と分かってもらえます。
PLCはプログラマブル・ロジック・コントローラ(Programmable Logic Controller)の頭文字をとったもので、直訳すると「道筋をプログラムできる制御器」となります。
つまり「順序を制御するための機器」とも言うことが出来ます。
”順序を制御”の例としては、ざっくりとこんな感じです。
■信号機をイメージしてください
信号のある横断歩道を渡るために、横断歩道の信号の下にある押しボタンスイッチを押しました。
①ボタンを押すとスイッチの所にある表示ランプが「押してください」から「お待ちください」に変わる。
②20秒後に車道側の信号が黄色に変わる。
③黄色から赤色に変わる。
④横断歩道の信号が青になる。
⑤渡る
この①から④の順序で表示や動作を制御するためにPLCが使用されています。それ以外にも遊園地のアトラクションや自動ドア、エレベータにも使用されています。
PLCはシーケンサとも呼ばれますが、シーケンサは三菱電機の商標登録です。
三菱のシェアが大きいためか、昔はPLC=シーケンサで通っていましたが、ここ最近は各社性能・シェアを上げてきており、「PLC=シーケンサ」ではなくなってきています。
とりあえず”PLC”と呼んでおけば無難です
もとはリレー回路の代わりに簡単に動作変更の利くものはないだろうか・・・という声から生まれた制御機器です。
PLCは主に産業界で使用されています
PLCは故障しにくく、保全機能が充実しています。
複雑な動作をする装置にもなるとリレーの数が数百、数千ともなります。PLCを使えばリレーが削減できて、なおかつ動きの修正が簡単にできます。
もしリレーが故障した時に数百~数千のリレーの中から故障したリレーを見つけるのも時間がかかり大変ですよね。
PLCでは簡単に故障部分を見つけられるような機能が搭載されていたりエラー発生内容を自分で作成することが出来るため、その点では保守にかかる時間を削減することが出来ます。
PLCユニットは壊れることがリレーに比べ圧倒的に少ないです。動作頻度などにもよりますが、PLCが壊れるまでにスクラップになる装置があるほどです。私の知っている限りでは20年や25年選手がたくさんいます。
また保全機能が充実しているので故障予知など、事前に手を付けやすいといったメリットがあります。
そういった意味でPLCは信頼性が高いため、産業界では重宝されているのです。
PLC制御を理解するには、「リレー」の知識が必要です
PLCは、リレーの機能を自由自在にコントロールすることが出来る機器です。
「リレー」と聞くと真っ先にイメージするのが運動会のリレーかと思いますが、電気の世界で使用する「リレー」も、「役割をバトンでつないで次の動作をさせる」まさにそのイメージです。
実物はこのようなものです。
写真を見ると突然難しく想像してしまうかもしれませんが、動きは簡単です。
リレーの動きを4ステップに分けて説明します。
赤色の点線部がリレーです。このコイルに24Vをかけてあげるとコイルが動作し、右側の回路の接点がONするといった動きになります。それでは1つずつ見ていきましょう。
①スイッチをONします。
②コイルに電流が流れます。
③コイルに電流が流れると、コイルがONして電磁力が発生します。その力で右側の回路の接点をONさせます。
④右側の回路の接点がONすることで、ランプに電流が流れます。そうすることで右側の回路のランプが点灯します。
⑤スイッチをOFFすることで、コイルに電流が流れずに電磁力がなくなり、右側の接点もOFFします。そうすることでランプもOFFします。
いかがだったでしょうか?1出力(1コイルで)1接点のリレーを例にしましたが、1出力で4つ接点を持ったものなどもあります。
リレーの細かい原理や設計については下の記事で詳しく紹介します。
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【初級編】リレーの構造と動作原理
この記事ではリレーの構造と動作原理について解説します。 リレーの役割とは 「リレー」と聞くと真っ先にイメージするのが運動会のリレーかと思いますが、電気の世界で使用する「リレー」も、「役割をバトンでつな ...
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PLCの仕組みとは
先ほどのリレー回路をPLCを使って表現した場合、このようにスイッチとランプを接続します。あとはスイッチを押したときにランプをどのように点灯させるかは、PLC内部のソフトで決めることが出来ます。
スイッチを押すことで、PLC内部の条件が成立して、ランプが点灯します。
このようにPLCで動かしていくことが出来ます。PLC内部のソフトを変更することで自由自在にランプの点灯・消灯をコントロールすることが出来ます。
PLCの最大のメリットは簡単に動作を変更できる事です
PLCではソフトを使うことで簡単に動作を変えることが出来ます。
リレーを2つ並べてみました。(それぞれ1出力1接点で想定します)
それぞれの動作は
①スイッチがONすると、コイル1がONし、ランプ1がONする。
②センサがONすると、コイル2がONし、ランプ2がONする。
それでは次に
センサONでもランプ2を点灯(ON)させつつ、ランプ1を点灯(ON)したいとなるとどうなるでしょう?
通常ハード回路で変更する場合は、
①スイッチと並列にセンサの信号線を追加する。
または
②コイル1の接点と並列にコイル2の接点を組む。
いずれにしても電気回路の変更や配線のやり直しや追加が必要です。
それに比べてPLCの場合は
①ソフト内で出力条件を変更する。
のみです。
それでは具体的にPLC側で構成する場合と、変更する場合を見て行きましょう。
PLCを使った場合、最初はこのように構成されています。ここからPLC内部のソフトを変更して、PLCに書き込むだけで完了します。
このように、ランプ1を出力させるための条件を変更させるだけです。
先ほどハード回路で変更する場合、「スイッチと並列にセンサの信号線を追加する。」とお話ししました。上記のソフトもそのように追加した形になっていますね。このようにソフトを少し変更すれば簡単に点灯条件を変更することが出来ます。慣れにもよりますが、配線を触らずにわずか1分程度で変更できます。
こういった変更にも柔軟に対応することができます。
まとめ
今回の記事を要約するとこんな感じです。
ポイント要約
①私たちの生活の陰で、PLCがたくさん活躍しています。
②PLCはリレー回路の代わりとなるために開発された。
③PLCを使うとリレー回路に比べて、容易に動きを変更できる。
これからシーケンス制御の基礎を学んでいきたい方には、マンガで非常にわかりやすく解説してくれているこちらの本がオススメです。
こちらもフルカラーの図解で、実践的な部分をわかりやすく解説してくれています。