初心者向け

【初級編】リレーの構造と動作原理

2020年3月26日


この記事ではリレーの構造と動作原理について解説します。

リレーの役割とは

「リレー」と聞くと真っ先にイメージするのが運動会のリレーかと思いますが、電気の世界で使用する「リレー」も、「役割をバトンでつないで次の動作をさせる」まさにそのイメージです。

 

例えばDC24Vの回路でリレーを駆動させて、AC200V駆動のモータを動かすことが出来ます。回路例を書くとこのようになります。

 

 

DC24V側にあるスイッチをONすると、スイッチをONしている間はモータが駆動する回路です。

 

リレーを中継することで、AC200V駆動のモーターを回すことが出来ました。

 

どういったところで使われているの?

一体どういったところでリレーは使われているのでしょうか。

 

使用用途はこんな感じです。

  • 産業装置
  • テレビや冷蔵庫・洗濯機などの家庭用機器
  • プリンターなどのOA機器
  • 医療機器
  • 車載機器

上記以外にも用途はありますが、実はかなり身近な存在なんです。

 

それではそんなリレーの中身はどのようになっているのでしょうか?詳しく解説します。

 

リレーの種類について

リレーには大きく分けて2種類あります。

①有接点リレー

②無接点リレー

①の有接点リレーは、リレーの内部に機械的な接点を持っており、機械的な接点による動作で信号や電流などを入/切します。「メカニカルリレー」や「コンタクトリレー」などと呼ばれています。

 

上記の実物写真がこのタイプのリレーです。

 

一方②の無接点リレーとは、リレーの内部に機械的な接点を持たず、半導体による電子部品で信号や電流などを入/切します。ソリッドステートリレー(SSR)やMOSリレーなどがこの部類になります。

 

今回は①の有接点リレーについて、その構造を説明していきます。

 

リレーの構造について

有接点リレーの実物の写真です。中に色々と機器が入っていますね。これらの構造を図を使って説明していきます。

 

 

絵は得意ではないためうまく書けないですが、中身の構造の絵です。

 

稼働接点部分がシーソーのようになっており、コイルに電圧が印加されていないときは復帰ばねの力でコイルから離れ、b接点端子に接触して止まっています。

 

この時、稼働接点端子のc接点b接点が短絡しています。

 

コイルに電圧が印加されると、稼働接点が動いてb接点からa接点へ切り替わります。この時は稼働接点端子のc接点a接点が短絡しています。

 

メモ

a接点・・・「メーク接点」や「NO接点(ノーマルオープン)」とも呼ばれます。コイル駆動時に働く接点だからアルバイトの"a"。

b接点・・・「ブレイク接点」や「NC接点(ノーマルクローズ)」とも呼ばれます。コイルが休憩している時の接点だからブレイクの"b"

c接点・・・「トランスファ接点」とも呼ばれます。a接点とも、b接点とも接続する共通の接点なのでコモンの"c"ですね。

 

リレーの動作について

コイルに電圧が印加されて、接点が切り替わる際の動作の順序はこうです。

①コイルに電圧を印加する

②コイルに電磁力が発生する

③稼働接点がコイルに引き寄せられる

④b接点端子に接触していた稼働接点がa接点端子に接触する

 

実際に先ほどの回路を例に接続したらどのようになるのでしょうか?

 

 

この回路で実際に接続するとこのようになります。

コイルにはDC24Vとスイッチ、a接点端子とc接点端子にはそれぞれAC200Vとモータが接続されています。

 

それではスイッチを入れていきましょう。まずはアニメーションからご覧下さい。

 

それぞれ各動作ごとに解説します。

コイルに電圧が印加され、電磁力が発生します。この状態を励磁(れいじ)といいます。線の部分です。

 

励磁すると、稼働接点が引き寄せられてb接点端子からa接点端子へ切り替わります。すると、モータに電圧が印加されて回転します。赤破線の部分になります。

 

スイッチをOFFすると、コイルに電圧が印加されなくなり、電磁力が無くなります。この状態を消磁(しょうじ)と呼びます。

 

消磁すると、復帰ばねで稼働接点が戻されて、b接点端子へ切り替わります。

 

PLCの出力のお手伝いもします

PLCの出力ユニットでは、他の制御機器を直接動作させる関係で、特別な場合を除いてはDC24V出力タイプを使用する場合が多いです。

 

その場合、AC100VやAC200Vにおける制御機器の駆動を直接出力ユニットから行うことが出来ないため、出力ユニットでリレーで中継させてから交流系の制御機器を駆動させるようにします。

 

モータ駆動の為だけにトライアック出力ユニットやリレー出力ユニットを使用することは、コスト面からあまりやらないです。

 

トライアック出力ユニットやリレー出力ユニットの説明は下の記事で紹介しています。

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サージ電圧とは

サージ電圧とは瞬間的に異常に大きい電圧や電流が流れることです。

 

リレーの場合、OFFした時、つまり消磁する瞬間にコイルが電流を溜め込み、サージ電圧が発生します。

 

このサージですが、他の制御機器(特に半導体)に影響を及ぼしてしまい、最悪故障します。

 

このサージの対策をするために、交流の場合はバリスタ(直流の場合はトランジスタ)をつけたりします。既にバリスタなどが内蔵されたサージ対策済みの「サージキラー」付きのリレーも売られています。

 

kazuki
基本的にはサージキラーが標準装備されたリレーを選定するのが無難ですよ。

 

まとめ

今回の記事を要約するとこんな感じです。

ポイント要約

①リレーの種類には「有接点リレー」と「無接点リレー」がある。

②産業界以外にもリレーは身近に使用されている

③リレーの端子には「コイルへ電圧を印加する端子」、「a接点端子」、「b接点端子」、「c接点端子」がある。

④サージ電圧とは消磁した時に発生する大きな電圧のこと

 

kazuki
実際にはこの用途以外にも安全リレーや他の装置同士での信号のやりとりにも使われていますよ。
  • この記事を書いた人

kazuki

電気設計・PLCソフト設計業務を主にやっています。20歳から搬送装置メーカー・半導体製造装置メーカーを経て、現在は兵庫県明石市でPLC制御設計事務所を経営。Logic soft代表。

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